赤字から復活のブリヂストン増配!
増配ニュース

ブリヂストン (5108) は2021年8月10日に決算を発表。
21年12月期連結最終損益を従来予想の2610億円の黒字から3250億円の黒字(前期は233億100万円の赤字)に増額修正すると発表しました。
今期配当を従来予想一株130円から40円増の170円に増配することも発表。
経済回復に伴う交通量配送量の増加に伴うトラックなどタイヤ需要の増加を見込んでいるようです。

ブリヂストンはタイヤ売ってそんなに儲かっているの?
事業

ブリヂストン (5108) は自動車から航空機、重機まで様々なタイヤを手掛ける日本のタイヤメーカーで世界150ヵ国以上で販売し年間約3兆円の売り上げと2900億円の利益を稼ぎ出しています。。
2019年の世界のタイヤ市場シェアでは、売り上げ高ベースで世界シェア第二位を誇ります。(一位ミシュランとは僅差)
生産タイヤの72%は国外生産で、生産拠点の分散化が進んでいます。
タイヤビジネスは、自動車が世界の交通手段の中核を担う限り必ず需要が発生し続ける為、巨大な市場シェアを持っているブリヂストンのビジネスモデルは非常に強固です。
またタイヤ製品は原材料である原油と天然ゴム価格の影響を受け、原材料価格高騰すると生産コストが上昇し利益が圧迫され、全世界展開しているビジネスなので為替の影響を受けます。
特に売り上げ構成比の高いアメリカは全体の約半数を占めるので、米経済の影響を強く受けるのは注意が必要ですね。
ブリヂストンが手掛ける事業は以下のものがあります。
コア事業(タイヤ事業)
- 乗用車用、トラック・バス用、建設・鉱山車両用、産業車両用、農業機械用、航空機用、二輪自動車用のタイヤ・チューブ、タイヤ関連用品、自動車整備・補修、タイヤ原材料
成長事業(ソリューション事業)
- タイヤセントリックソリューション:タイヤ/タイヤデータを活用し、高付加価値を提供する事業
- モビリティソリューション:タイヤ/ タイヤデータ/ モビリティデータを活用し、新しい価値を提供する事業
多角化事業
• 化工品:自動車関連部品、ウレタンフォーム及びその関連用品、電子精密部品、工業資材関連用品建築資材関連用品
• BSAM多角化:Bridgestone Americas, Inc.が統括する多角化事業
• スポーツ用品:ゴルフボール、ゴルフクラブ、その他スポーツ関連用品
• 自転車:自転車及び関連用品
• その他:ファイナンス
業績
【業績】 | 売上高 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) |
---|---|---|---|---|---|---|
18.12 | 3,650,111 | 402,732 | 381,132 | 291,642 | 388.0 | 160 |
19.12 | 3,525,600 | 326,098 | 316,823 | 292,598 | 405.0 | 160 |
20.12 | 2,994,524 | 64,114 | 29,266 | -23,301 | -33.1 | 110 |
21.12予 | 3,080,000 | 290,000 | 270,000 | 280,000 | 397.6 | 170 |
22.12予 | 3,150,000 | 330,000 | 310,000 | 240,000 | 340.8 | 170~? |
コロナ禍でのダメージで20年度は赤字決算で減配でしたが、今期は19年度付近まで戻りそうな気配です。
配当金も19年の160円→20年の110円に減配→21年170円に増配という復活です。
また自己資本比率が高く50%を超えているので財務安定企業でもあります。
コロナ前は売り上げ横ばいが続いており、成熟産業の宿命として今後の成長性は低いかもしれません。

配当復活してコロナ前より増えてる!
株価
- 2021年8月12日終値 5,149円
- PER:11.15倍
- PBR:1.40倍
- 年初来高値:5,270円
- 年初来安値:3,307円
配当

配当金推移 | 一株配当(円) |
2012年度 | 32 |
2013年度 | 57 |
2014年度 | 100 |
2015年度 | 130 |
2016年度 | 140 |
2017年度 | 150 |
2018年度 | 160 |
2019年度 | 160 |
2020年度 | 110 |
2021年度 | 170 |
ブリヂストンは2012年から2019年までは一貫して増配しており、連続増配銘柄でした。
2020年は世界的コロナ禍により赤字決算減配となりましたが、今期は再び増配し減配前の1株配当160円を上回る1株170円配当予想となっています。
- 一株配当:170円(予想)
- 税引き前配当利回り:3.3%(2021年8月12日現在)
- 一株当たり利益(EPS):397.6円(予想)
- 配当性向:42.75%
- 配当落ち日:12月29日 6月29日
自己株式取得
ブリヂストンは自己株式取得も行っており、2017年には1500億円(31,565,900株)、2019年には2000億円(47,838,200株)の自己株式取得を行っています。
さらにその後2018年に51,565,900株と2020年に47,838,200株の自己株式の消却しているので、
「発行済み株式数が減る=株式価値が高まり株価上昇」
という株主還元もしっかり行っていますね。

増配して自己株式取得するのは株価対策として鉄板だね!
優待
2021年8月現在株主優待はありません。
まとめ

- 自動車がある限り需要が続くビジネス
- 世界タイヤシェアナンバー2
- 年間売り上げ3兆円
- 自己資本比率50%以上で財務安定
- 為替、原油、天然ゴム価格に影響を受ける
- 連続増配傾向(2020年のみ減配)
- 配当利回り3%以上
- 自己株式取得あり
- コロナ禍では赤字
- 近年の売り上げは横ばい傾向
世界的シェアを誇る安定大企業で、年々増配で配当金が増えていき、自己株式取得で株価も上がるという優良株ですね。
ゴリラの投資スタンスは、
「巨大な市場シェアを持ち、財務が強く安定的に配当を出す企業に投資する」
というものなので、コロナ禍で株価下落した際にブリヂストン株を購入躊躇し買いそびれたことが悔やまれます。
ゴリラの様に投資資金に乏しい一般投資家は、優良高配当銘柄は市場好調時は購入候補を選んでおき、いざ市場全体が下落した時に迷わず仕込むのが大切だと思います。
経験上高値掴みしている高配当株は、暴落時には下落率に耐えきれずパニックになり損切する可能性が高いからです。
年末から来年にかけて、米国の利上げが早まれば市場の混乱が起きる可能性がありますので、今のうちに投資手法や現金比率を見直していざという時に備えましょう。
それではまた次回!
byかいゆー
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