日本高配当株ランキング2021年6月版

危険 投資
スポンサーリンク

高配当株は危険がいっぱい

危険

高配当株は「何らかの理由で配当金に対して株価が割安状態になっている株」ですので、ただ配当利回りが高いからというだけで購入するのは危険です。

前回は高配当株ポートフォリオを組む際に注意することをまとめました。

今回は2021年6月10日現在の日本株の中で高配当株と言える銘柄をみてみましょう!

前回の記事はこちら

危険な銘柄を避ける高配当株選び方

前回ご紹介した配当狙いで購入する際に「高配当株を選ぶときのチェックリスト10」の1~4に沿ってまずは楽天スクリーニングで50銘柄に絞ってみました。

高配当株を選ぶときのチェックリスト1~4


  1. 東証一部上場銘柄に限定して選ぶ・・・業績安定成熟企業中心なので倒産リスク小
  2. 異常に利回りが高い銘柄は避ける・・・利回り6%以上はかなりリスクあり
  3. 財務安定か・・・収益率、自己資本比率、有利子負債自己資本比率、ROE、流動比率
  4. 株価に割高感はないか・・・PER,PBR,が同業他社に比べて高くないか
  5. 配当性向は高くないか
  6. 減配傾向にないか
  7. ショック時に減配無配になっていないか
  8. 銘柄の分野が偏っていないか
  9. 政策に逆行していないか
  10. ずっと持ち続けたい銘柄を選ぶ

高配当株選定基準

1.東証一部上場銘柄に限定して選ぶ

  • 買いやすさを重視し1株5000円以下(100株で50万円以下)のみ
  • 東証1一部の銘柄のみ
  • 配当利回り3%以上で利回り高い50銘柄

上記の条件で絞りましたので、あとはここから危険なポイントをチェックしていきましょう!

2.異常に利回りが高い銘柄は避ける

3・財務安定か

4・株価に割高感はないか

危険なポイントとしては配当利回り6%以上、PER、PBRが異常に高い、自己資本比率が異常に低いなどが挙げられます。

指標の基準は日経平均株価を基準とします。

日経平均株価と指標

日付日経平均
株価
日経平均
EPS
日経平均
PER
日経平均
PBR
日経平均
配当
利回り
日本国債
利回り
2021-06-0928,860.802,031.0214.211.251.830.065
  • 21年6月10日現在の日経平均株価は約28800円
  • 日経平均EPS(一株あたり当期利益)は約2,000円程度
  • 日経平均PER(株価収益率)は14倍・・・PERがこれ以下なら割安〇
  • 日経平均PBR(株価純資産倍率)は1.25倍・・・PBRこれ以下なら割安〇
  • 日経平均配当利回りは1.8%・・・これ以上なら利回りが高い〇
  • 長期国債利回りは0.065%
  • 自己資本比率は50%程度が好ましい・・・財務安定性〇

50万円以下で買える日本高配当株ランキング6月版

コード銘柄名市場現在値配当利回り(3%以上)
EPS(一株あたり当期利益)PER(株価収益率)PBR(株価純資産倍率)自己資本比率(%)
2914日本たばこ産業東121887.04174.8812.511.5446.88
9434ソフトバンク東114096.1103.8513.574.3712.37
8604野村HLDG東15925.9150.1111.810.676.34
8601大和証券グループ本社東1633.55.6871.28.90.725.11
6178日本郵政東1905.55.52103.448.750.274.63
8304あおぞら銀行東124984.96248.2710.060.598.35
8628松井証券東18294.8340.0220.712.698.21
8316三井住友FG東139514.81374.2610.560.464.88
4502武田薬品工業東137674.78240.7215.651.1440.06
5020ENEOS HLDG東1464.84.7335.4813.10.6428.85
8308りそなHLDG東1452.64.6454.198.350.453.14
8725MS&ADインシュアランスHD東133654.61255.7913.160.6112.78
9503関西電力東11088.54.59122.028.920.5820.86
8766東京海上HLDG東151344.58232.1322.120.9714.22
1808長谷工コーポレーション東115334.57168.629.091.0841.35
8411みずほFG東11653.54.54185.758.90.454.1
5019出光興産東126954.45117.4722.940.729.1
8058三菱商事東130724.36116.8626.290.8130.12
9412スカパーJSAT HLDG東14254.2444.929.460.5460.75
8354ふくおかFG東120174.21234.868.590.43.49
7186コンコルディアFG東14094.1620.9919.490.435.34
8309三井住友トラストHLDG東136844.07379.659.70.514.33
8306三菱UFJ FG東1622.34.0260.510.290.484.67
8630SOMPO HLDG東142763.98397.410.760.7515.39
5232住友大阪セメント東130453.94304.56100.5661.8
9101日本郵船東151103.91824.556.21.3829.42
4208宇部興産東123253.87226.7910.250.6546.64
1928積水ハウス東122133.8181.1812.211.1450.52
5214日本電気硝子東126813.73157.8416.990.5571.75
9502中部電力東11358.53.68194.656.980.5135.72
9432日本電信電話(NTT)東12874.53.65248.1511.581.3832.93
1812鹿島建設東114913.62193.137.720.8640.41
3405クラレ東111173.587.48149.330.7747.43
1801大成建設東137403.48442.668.450.9244.95
1925大和ハウス工業東133483.46297.1811.271.1936.32
5703日本軽金属HLDG東118813.4654.3734.60.6137.62
4631DIC東129053.44139.8120.780.8638.94
1802大林組東19303.44137.646.760.7240.97
4061デンカ東137353.35264.2414.131.250.84
8031三井物産東125523.33199.2812.810.9336.52
9433KDDI東136323.3284.1612.781.7445.18
8002丸紅東110043.29127.527.870.9626.22
3105日清紡HLDG東19283.2381.3811.40.6739.38
1803清水建設東19393.19101.179.280.8842.71
6724セイコーエプソン東119743.1489.3822.091.2447.44
8795T&D HLDG東114703.13271.555.410.568.64
8253クレディセゾン東114423.12231.246.240.4215.57
3863日本製紙東112833.1227.6746.370.3626.65
9104商船三井東148453.1752.986.43127.57
7267本田技研工業東135763.08380.759.390.6841.43

東証一部上場銘柄で絞ったので有名企業が多いですね。あとはここから気になる銘柄を選んで、高配当株を選ぶときのチェックリストに当てはめていきましょう!

赤字がいくつかありますがそこが今回のポイントです。

危険な数字は?

毒

赤字の数値は配当は5%以上、PERは30倍以上、PBRは2倍以上、自己資本比率は20%以下が危険値として赤字にしています。

PER(株価収益率)で判断

PERは「株価が1年あたりの一株利益(EPS)の何倍か」を測るので、PERが高過ぎる場合は利益が低いのに株価は高い=割高という判断になります。

例:クラレは一株利益7.48円に対して株価1117円なのでPER149.33

利益に対して株価が高く、利益7.48円に対して配当40円。なので稼いだ利益以上に配当を吐き出しており危険、と判断できます。

PBR(株価純資産倍率)で判断

PBRは「株価が一株当たり保有資産の何倍か」を測るので、高すぎる場合は会社の保有資産に対して株価が高い=割高という判断になります。

高配当株は基本的にバリュー株(割安株)なのでPBRが高いものは少ないですが、ソフトバンクの様に4倍を超えているものは割高判断となります。

PBRが保有資産価値より大幅に高いということは、何かの理由で株が売り込まれるときには株価=保有資産となる1倍程度まで大きく値下がりする可能性があります。

自己資本比率で判断

自己資本比率は通常50%程度あると安全と言われますが、これは返済義務のある他人資本が多いと不況時に返済金額が多くなり、経営状態が悪化しやすくなるためです。

上記のランキングを見ると銀行などの金融株の自己資本比率は共通して低いことがわかります。では銀行株すべて投資対象から除外した方がいいのでしょうか?

そこには銀行株特有の性質があります。

銀行が顧客から預かる預金は他人資本なので、業務の性質上自己資本に対する預金(他人資本)が多いため自己資本比率が低くなります。

なので銀行株を自己資本比率が低いので投資不適格、と判断するのは早計で、特にメガバンクは海外展開も進み収益多角化で稼ぐ力が強まっているので魅力的です。

JTは利回り・PER・PBR・自己資本比率すべて最高?

では配当利回りランキング1位のJTは最高の銘柄と言えるのでしょうか?

  • 株価2188円
  • 配当利回り7.04%
  • PER12.51%
  • PBR1.54%
  • 自己資本比率46.88%

各数字は割安安全を示しており、さらに配当利回りは7%越えと買わない理由がありません!

ならなぜこんなに配当利回りがいい=割安=不人気なのでしょうか?

JTを例にして次の条件に当てはめてみましょう。

高配当株を選ぶときのチェックリスト5~10

  1. 東証一部上場銘柄に限定して選ぶ
  2. 異常に利回りが高い銘柄は避ける
  3. 財務安定か
  4. 株価に割高感はないか
  5. 配当性向は高くないか・・・配当性向が高いと減配の可能性あり
  6. 減配傾向にないか・・・過去10年の配当確認、EPS推移、配当性向推移
  7. ショック時に減配無配になっていないか・・・リーマンショック、コロナショック時
  8. 銘柄の分野が偏っていないか・・・通信、金融、商社株などが高配当銘柄が多い分野
  9. 政策に逆行していないか・・・ESG投資と逆行していると株価が上がりづらい
  10. ずっと持ち続けたい銘柄を選ぶ・・・資産として長期で保有し続けるため

5.配当性向は高くないか

配当性向とは稼いだ利益に対して配当をどのくらい出しているかの割合です。

JTはEPS(一株利益)174.9円に対して1株154円の配当を出しているので配当性向88%です。

高配当銘柄の多くの企業が配当性向30~40%を目標にしている中でこの数値は異常で、稼いだ利益の88%を配当として放出しているので事業成長拡大の余力がほぼ無い状態です。

6.減配傾向にないか

この状態を維持することも難しく、JTは来期ついに減配を発表しています。

高すぎる配当性向の配当金維持は企業に負担となるので、配当性向の高まりの次にくるのは高確率で減配発表です。

7.ショック時に減配無配になっていないか

ここ数年の不調とコロナショックでのダメージで減配となりました。

8.銘柄の分野が偏っていないか

このようにもしJT1銘柄に集中投資していたら、JTの減配によって資産に大きなダメージになります。

7%の利回りで期待して買っていた銘柄がある日突然3%になると、続いて配当期待で買われていた株価の大暴落が来ます。これにより減配と株価下落のダブルパンチを受けることになります。

そのため長期で安定的に配当を受け取るなら他業種かつ複数の銘柄でリスク分散することが重要になります。

9.政策に逆行していないか

JTはコロナショックで減配という止めを刺されましたが、コロナ以前から数年間株価はある理由から下落基調でした。

その原因が海外機関投資家のESG投資の推進です。

ESG投資とは・・・従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指します。特に、年金基金など大きな資産を超長期で運用する機関投資家を中心に、企業経営のサステナビリティを評価するという概念が普及し、気候変動などを念頭においた長期的なリスクマネジメントや、企業の新たな収益創出の機会(オポチュニティ)を評価するベンチマークとして、国連持続可能な開発目標(SDGs)と合わせて注目されています。

日本においても、投資にESGの視点を組み入れることなどを原則として掲げる国連責任投資原則(PRI)に、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年に署名したことを受け、ESG投資が広がっています。

経済産業省HPより引用

人と環境に対して悪影響を与えるたばこ株は嫌気され売り込まれることとなりました。

世界的に広がるたばこの排斥は今後も続くと思われ、決して成長性のある産業ではないと思われます。

株式投資の目的は「長期的に成長する企業に投資することでその利益拡大の恩恵を受けること」なので、政策や世界の潮流に反する事業への投資は、長期の資産形成目的の投資としては不適切であるとも言えます。

10.ずっと持ち続けたい銘柄を選ぶ

今後の人生で長く付き合っていく投資対象は慎重に選んでください。

同じ銘柄でも買うタイミングによってまったく異なる運用成績になるので、高配当株は自分が欲しい時に買うのではなく、欲しい銘柄が値下がりし買ってもいい値段になったときに買う、くらいのスタンスで購入していきたいですね。

おまけ

今月もしゴリラが高配当ポートフォリオを組むなら何を買うか、という意見を参考までに書いておきます。

100万円で分散するとしてゴリラならば情報通信、金融、商社に3分割します。

具体的にはNTT100株で30万、三井住友100株でFG40万、三菱商事100株で30万に分散します。

NTTは増配で業績堅調かつネット社会の必須インフラ、三井住友も3メガバンク中もっとも安定で長期金利上昇の恩恵を受ける、三菱商事は業績回復期待と資源価格上昇の恩恵を受けるというのが理由です。100万であれば年間のNISA枠内で収まるので非課税(税引き前合計配当金額)で配当を受け取れます。

  • 総投資額:989,700円(手数料除く)
  • 税引き前合計配当金額:43,400
  • 税引き後合計配当金額:34,583円
  • 税引き前配当利回り:4.39%
  • 税引き後配当利回り:3.49%

まとめ

今回はチェックリストをどのように活用するかを簡単に説明していきました。

後半はJTを例にして解説していますが、50銘柄の中にはまだまだリスキーな銘柄が隠れていますので、各銘柄の割安の理由の探してみてください。

なおこのチェックリストやポートフォリオ例はあくまでゴリラの個人的な判断基準ですので投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。

各ネット証券ではスクリーニング機能で株の条件検索絞り込みができるので、いろいろな指標から投資対象を探すことができますので是非チャレンジしてみてください!

それではまた次回!

byかいゆー

前回の記事はこちら

日本高配当株ランキング2021年6月版

危険 投資
スポンサーリンク

高配当株は危険がいっぱい

危険

高配当株は「何らかの理由で配当金に対して株価が割安状態になっている株」ですので、ただ配当利回りが高いからというだけで購入するのは危険です。

前回は高配当株ポートフォリオを組む際に注意することをまとめました。

今回は2021年6月10日現在の日本株の中で高配当株と言える銘柄をみてみましょう!

前回の記事はこちら

危険な銘柄を避ける高配当株選び方

前回ご紹介した配当狙いで購入する際に「高配当株を選ぶときのチェックリスト10」の1~4に沿ってまずは楽天スクリーニングで50銘柄に絞ってみました。

高配当株を選ぶときのチェックリスト1~4


  1. 東証一部上場銘柄に限定して選ぶ・・・業績安定成熟企業中心なので倒産リスク小
  2. 異常に利回りが高い銘柄は避ける・・・利回り6%以上はかなりリスクあり
  3. 財務安定か・・・収益率、自己資本比率、有利子負債自己資本比率、ROE、流動比率
  4. 株価に割高感はないか・・・PER,PBR,が同業他社に比べて高くないか
  5. 配当性向は高くないか
  6. 減配傾向にないか
  7. ショック時に減配無配になっていないか
  8. 銘柄の分野が偏っていないか
  9. 政策に逆行していないか
  10. ずっと持ち続けたい銘柄を選ぶ

高配当株選定基準

1.東証一部上場銘柄に限定して選ぶ

  • 買いやすさを重視し1株5000円以下(100株で50万円以下)のみ
  • 東証1一部の銘柄のみ
  • 配当利回り3%以上で利回り高い50銘柄

上記の条件で絞りましたので、あとはここから危険なポイントをチェックしていきましょう!

2.異常に利回りが高い銘柄は避ける

3・財務安定か

4・株価に割高感はないか

危険なポイントとしては配当利回り6%以上、PER、PBRが異常に高い、自己資本比率が異常に低いなどが挙げられます。

指標の基準は日経平均株価を基準とします。

日経平均株価と指標

日付日経平均
株価
日経平均
EPS
日経平均
PER
日経平均
PBR
日経平均
配当
利回り
日本国債
利回り
2021-06-0928,860.802,031.0214.211.251.830.065
  • 21年6月10日現在の日経平均株価は約28800円
  • 日経平均EPS(一株あたり当期利益)は約2,000円程度
  • 日経平均PER(株価収益率)は14倍・・・PERがこれ以下なら割安〇
  • 日経平均PBR(株価純資産倍率)は1.25倍・・・PBRこれ以下なら割安〇
  • 日経平均配当利回りは1.8%・・・これ以上なら利回りが高い〇
  • 長期国債利回りは0.065%
  • 自己資本比率は50%程度が好ましい・・・財務安定性〇

50万円以下で買える日本高配当株ランキング6月版

コード銘柄名市場現在値配当利回り(3%以上)
EPS(一株あたり当期利益)PER(株価収益率)PBR(株価純資産倍率)自己資本比率(%)
2914日本たばこ産業東121887.04174.8812.511.5446.88
9434ソフトバンク東114096.1103.8513.574.3712.37
8604野村HLDG東15925.9150.1111.810.676.34
8601大和証券グループ本社東1633.55.6871.28.90.725.11
6178日本郵政東1905.55.52103.448.750.274.63
8304あおぞら銀行東124984.96248.2710.060.598.35
8628松井証券東18294.8340.0220.712.698.21
8316三井住友FG東139514.81374.2610.560.464.88
4502武田薬品工業東137674.78240.7215.651.1440.06
5020ENEOS HLDG東1464.84.7335.4813.10.6428.85
8308りそなHLDG東1452.64.6454.198.350.453.14
8725MS&ADインシュアランスHD東133654.61255.7913.160.6112.78
9503関西電力東11088.54.59122.028.920.5820.86
8766東京海上HLDG東151344.58232.1322.120.9714.22
1808長谷工コーポレーション東115334.57168.629.091.0841.35
8411みずほFG東11653.54.54185.758.90.454.1
5019出光興産東126954.45117.4722.940.729.1
8058三菱商事東130724.36116.8626.290.8130.12
9412スカパーJSAT HLDG東14254.2444.929.460.5460.75
8354ふくおかFG東120174.21234.868.590.43.49
7186コンコルディアFG東14094.1620.9919.490.435.34
8309三井住友トラストHLDG東136844.07379.659.70.514.33
8306三菱UFJ FG東1622.34.0260.510.290.484.67
8630SOMPO HLDG東142763.98397.410.760.7515.39
5232住友大阪セメント東130453.94304.56100.5661.8
9101日本郵船東151103.91824.556.21.3829.42
4208宇部興産東123253.87226.7910.250.6546.64
1928積水ハウス東122133.8181.1812.211.1450.52
5214日本電気硝子東126813.73157.8416.990.5571.75
9502中部電力東11358.53.68194.656.980.5135.72
9432日本電信電話(NTT)東12874.53.65248.1511.581.3832.93
1812鹿島建設東114913.62193.137.720.8640.41
3405クラレ東111173.587.48149.330.7747.43
1801大成建設東137403.48442.668.450.9244.95
1925大和ハウス工業東133483.46297.1811.271.1936.32
5703日本軽金属HLDG東118813.4654.3734.60.6137.62
4631DIC東129053.44139.8120.780.8638.94
1802大林組東19303.44137.646.760.7240.97
4061デンカ東137353.35264.2414.131.250.84
8031三井物産東125523.33199.2812.810.9336.52
9433KDDI東136323.3284.1612.781.7445.18
8002丸紅東110043.29127.527.870.9626.22
3105日清紡HLDG東19283.2381.3811.40.6739.38
1803清水建設東19393.19101.179.280.8842.71
6724セイコーエプソン東119743.1489.3822.091.2447.44
8795T&D HLDG東114703.13271.555.410.568.64
8253クレディセゾン東114423.12231.246.240.4215.57
3863日本製紙東112833.1227.6746.370.3626.65
9104商船三井東148453.1752.986.43127.57
7267本田技研工業東135763.08380.759.390.6841.43

東証一部上場銘柄で絞ったので有名企業が多いですね。あとはここから気になる銘柄を選んで、高配当株を選ぶときのチェックリストに当てはめていきましょう!

赤字がいくつかありますがそこが今回のポイントです。

危険な数字は?

毒

赤字の数値は配当は5%以上、PERは30倍以上、PBRは2倍以上、自己資本比率は20%以下が危険値として赤字にしています。

PER(株価収益率)で判断

PERは「株価が1年あたりの一株利益(EPS)の何倍か」を測るので、PERが高過ぎる場合は利益が低いのに株価は高い=割高という判断になります。

例:クラレは一株利益7.48円に対して株価1117円なのでPER149.33

利益に対して株価が高く、利益7.48円に対して配当40円。なので稼いだ利益以上に配当を吐き出しており危険、と判断できます。

PBR(株価純資産倍率)で判断

PBRは「株価が一株当たり保有資産の何倍か」を測るので、高すぎる場合は会社の保有資産に対して株価が高い=割高という判断になります。

高配当株は基本的にバリュー株(割安株)なのでPBRが高いものは少ないですが、ソフトバンクの様に4倍を超えているものは割高判断となります。

PBRが保有資産価値より大幅に高いということは、何かの理由で株が売り込まれるときには株価=保有資産となる1倍程度まで大きく値下がりする可能性があります。

自己資本比率で判断

自己資本比率は通常50%程度あると安全と言われますが、これは返済義務のある他人資本が多いと不況時に返済金額が多くなり、経営状態が悪化しやすくなるためです。

上記のランキングを見ると銀行などの金融株の自己資本比率は共通して低いことがわかります。では銀行株すべて投資対象から除外した方がいいのでしょうか?

そこには銀行株特有の性質があります。

銀行が顧客から預かる預金は他人資本なので、業務の性質上自己資本に対する預金(他人資本)が多いため自己資本比率が低くなります。

なので銀行株を自己資本比率が低いので投資不適格、と判断するのは早計で、特にメガバンクは海外展開も進み収益多角化で稼ぐ力が強まっているので魅力的です。

JTは利回り・PER・PBR・自己資本比率すべて最高?

では配当利回りランキング1位のJTは最高の銘柄と言えるのでしょうか?

  • 株価2188円
  • 配当利回り7.04%
  • PER12.51%
  • PBR1.54%
  • 自己資本比率46.88%

各数字は割安安全を示しており、さらに配当利回りは7%越えと買わない理由がありません!

ならなぜこんなに配当利回りがいい=割安=不人気なのでしょうか?

JTを例にして次の条件に当てはめてみましょう。

高配当株を選ぶときのチェックリスト5~10

  1. 東証一部上場銘柄に限定して選ぶ
  2. 異常に利回りが高い銘柄は避ける
  3. 財務安定か
  4. 株価に割高感はないか
  5. 配当性向は高くないか・・・配当性向が高いと減配の可能性あり
  6. 減配傾向にないか・・・過去10年の配当確認、EPS推移、配当性向推移
  7. ショック時に減配無配になっていないか・・・リーマンショック、コロナショック時
  8. 銘柄の分野が偏っていないか・・・通信、金融、商社株などが高配当銘柄が多い分野
  9. 政策に逆行していないか・・・ESG投資と逆行していると株価が上がりづらい
  10. ずっと持ち続けたい銘柄を選ぶ・・・資産として長期で保有し続けるため

5.配当性向は高くないか

配当性向とは稼いだ利益に対して配当をどのくらい出しているかの割合です。

JTはEPS(一株利益)174.9円に対して1株154円の配当を出しているので配当性向88%です。

高配当銘柄の多くの企業が配当性向30~40%を目標にしている中でこの数値は異常で、稼いだ利益の88%を配当として放出しているので事業成長拡大の余力がほぼ無い状態です。

6.減配傾向にないか

この状態を維持することも難しく、JTは来期ついに減配を発表しています。

高すぎる配当性向の配当金維持は企業に負担となるので、配当性向の高まりの次にくるのは高確率で減配発表です。

7.ショック時に減配無配になっていないか

ここ数年の不調とコロナショックでのダメージで減配となりました。

8.銘柄の分野が偏っていないか

このようにもしJT1銘柄に集中投資していたら、JTの減配によって資産に大きなダメージになります。

7%の利回りで期待して買っていた銘柄がある日突然3%になると、続いて配当期待で買われていた株価の大暴落が来ます。これにより減配と株価下落のダブルパンチを受けることになります。

そのため長期で安定的に配当を受け取るなら他業種かつ複数の銘柄でリスク分散することが重要になります。

9.政策に逆行していないか

JTはコロナショックで減配という止めを刺されましたが、コロナ以前から数年間株価はある理由から下落基調でした。

その原因が海外機関投資家のESG投資の推進です。

ESG投資とは・・・従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指します。特に、年金基金など大きな資産を超長期で運用する機関投資家を中心に、企業経営のサステナビリティを評価するという概念が普及し、気候変動などを念頭においた長期的なリスクマネジメントや、企業の新たな収益創出の機会(オポチュニティ)を評価するベンチマークとして、国連持続可能な開発目標(SDGs)と合わせて注目されています。

日本においても、投資にESGの視点を組み入れることなどを原則として掲げる国連責任投資原則(PRI)に、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年に署名したことを受け、ESG投資が広がっています。

経済産業省HPより引用

人と環境に対して悪影響を与えるたばこ株は嫌気され売り込まれることとなりました。

世界的に広がるたばこの排斥は今後も続くと思われ、決して成長性のある産業ではないと思われます。

株式投資の目的は「長期的に成長する企業に投資することでその利益拡大の恩恵を受けること」なので、政策や世界の潮流に反する事業への投資は、長期の資産形成目的の投資としては不適切であるとも言えます。

10.ずっと持ち続けたい銘柄を選ぶ

今後の人生で長く付き合っていく投資対象は慎重に選んでください。

同じ銘柄でも買うタイミングによってまったく異なる運用成績になるので、高配当株は自分が欲しい時に買うのではなく、欲しい銘柄が値下がりし買ってもいい値段になったときに買う、くらいのスタンスで購入していきたいですね。

おまけ

今月もしゴリラが高配当ポートフォリオを組むなら何を買うか、という意見を参考までに書いておきます。

100万円で分散するとしてゴリラならば情報通信、金融、商社に3分割します。

具体的にはNTT100株で30万、三井住友100株でFG40万、三菱商事100株で30万に分散します。

NTTは増配で業績堅調かつネット社会の必須インフラ、三井住友も3メガバンク中もっとも安定で長期金利上昇の恩恵を受ける、三菱商事は業績回復期待と資源価格上昇の恩恵を受けるというのが理由です。100万であれば年間のNISA枠内で収まるので非課税(税引き前合計配当金額)で配当を受け取れます。

  • 総投資額:989,700円(手数料除く)
  • 税引き前合計配当金額:43,400
  • 税引き後合計配当金額:34,583円
  • 税引き前配当利回り:4.39%
  • 税引き後配当利回り:3.49%

まとめ

今回はチェックリストをどのように活用するかを簡単に説明していきました。

後半はJTを例にして解説していますが、50銘柄の中にはまだまだリスキーな銘柄が隠れていますので、各銘柄の割安の理由の探してみてください。

なおこのチェックリストやポートフォリオ例はあくまでゴリラの個人的な判断基準ですので投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。

各ネット証券ではスクリーニング機能で株の条件検索絞り込みができるので、いろいろな指標から投資対象を探すことができますので是非チャレンジしてみてください!

それではまた次回!

byかいゆー

前回の記事はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました