株価下落の原因

2021年5月7日決算発表したスクロールの株価が、7日金曜日始値1089円から週明け10日終値892円まで約18%下落と大きく値を落としました。
スクロールは4月30日に、21年3月期の連結業績予想上方修正で一時株価1132円まで上昇し業績に期待感が出ており、満を持した決算で純利益前年同期比636.6%増と52→60円の増配まで発表しました。
ではそんな絶好調スクロールはなぜ決算発表で株価下落したのでしょうか?
今回は高配当株スクロールの特徴と決算を見てみましょう!

株価がガクンと落ちるときは何か原因があるよね!
- 21年3月期の連結業績予想上方修正アナウンス有
- 純利益前年同期比636.6%増
- 配当金52円→60円になり増配
どんな会社?
スクロール (8005)は カタログ通販準大手の通信販売事業者で複合通販企業グループ。東証一部上場。
旧名株式会社ムトウでもともとは1939年武藤洋裁所として創業、2009年んい現在の社名となりました。女性アパレル、雑貨、化粧品・健康食品・旅行等の通信販売業(BtoC、BtoBtoC)およびEC・通販事業者へのソリューション事業を手掛けます。
- 通販事業・・・生協向けカタログ販売
- ソリューション事業・・・もしもアフィリエイト等のサービス
- e-コマース事業・・・コスメランド、生活雑貨等のネットショッピングサイト
- 健粧品事業・・・オリジナルブランド化粧品や健康食品を販売
- 旅行事業・・・国内旅行の他、海外からの訪日ツアーなどコトサービスを展開
- グループ管轄事業・・・物流中心もスクロールグループのインフラ
コロナと業績
主力の通販事業とソリューション事業、e-コマース事業がそれぞれ前年比約20%ずつ伸び過去最高益を達成。
コロナ禍でのビジネスが好調で来期も期待・・・のはずでしたが。
会社予想はコロナ収束でコロナ特需剥落を想定し弱気予想。
さらにその弱気予想に基づいて来期配当予想がでるので、来期は20円配当と大幅減配予想となっています。
この弱気予想&減配アナウンスが大きな株価下落の原因ではないかと思われます。
【業績】 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) |
---|---|---|---|---|---|---|
連18.3 | 62,207 | 1,303 | 1,458 | -1,035 | -30.4 | 10 |
連19.3 | 71,153 | 1,697 | 1,415 | 631 | 18.5 | 10 |
連20.3 | 72,634 | 2,145 | 2,296 | 703 | 20.5 | 10 |
連21.3 | 85,195 | 7,385 | 7,519 | 5,183 | 149.65 | 予想52→60 |
連22.3予 | 80,000 | 3,900 | 4,000 | 2,800 | 80.41 | 20~? |
出典:楽天証券四季報
株価
- 2021年5月11日終値 892円
- PER:6.90倍
- PBR:1.27倍
- 年初来高値:1,485円
- 年初来安値:758円
配当
当期のスクロールの配当方針は好調な業績に対しての配当性向40%なので、年間配当60円の増配となりました。
当期の剰余金の配当
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の最重要政策として位置付け、年間配当金15円を下限とし、連結配当性向40%を基本として実施することを、配当の基本方針としております。
当期の期末配当金につきましては、配当の基本方針に基づき、1株当たり52円50銭とさせていただきます。これにより、中間配当金7円50銭と合わせて年間配当金は60円となります。
次期の剰余金の配当
当社は、株主の皆様への利益還元の更なる充実を図るため、次期(2022年3月期)の配当に関する基本方針については、年間配当金の下限を引き上げ、「年間配当金20円を下限とし、連結配当性向40%を基本として実施する」ことに変更いたします。
なお、次期の配当予想につきましては、新型コロナウイルス第4波の到来、緊急事態宣言の発出等、新型コロナウイルスの感染拡大が経済に与える影響や今後の収束に関して、先行きが不透明なこともあり、下限である年間配当金20円(中間配当金10円、期末配当金10円)といたしますが、通期の業績を明確に見通せる段階になった時点で、改めて、配当予想の開示を行ったうえで、連結配当性向40%の基本方針に則り実施いたします。
一転して来期は減配予想となりましたが、よく読むと
- 配当の下限は15→20円にアップ
- 配当性向40%維持
- 「通期の業績を明確に見通せる段階になった時点で改めて配当予想の開示」
となっているため今回の発表は、「配当は最低でも20円は出します、上方修正したら配当性向40%ちゃんと出します!」という会社側からの予防線的メッセージとも受け取れます。
利益率改善し安定した利益が出せるからこそ配当底上げという風にもとれるので、コロナ完全収束には程遠くe-コマースで取り込んだ顧客から継続して売り上げが取れるならば、コロナ以前の売り上げに完全に逆戻りする方が低いと個人的には思います。
反対に売り上げ&利益が上振れする可能性も高く、その場合引き続き高配当銘柄として期待できますので、こちらのシナリオも可能性としては低くないのではないでしょうか?
- 一株配当:60円
- 税引き前配当利回り:6.72%※来期予想は減配(2021年5月7日現在)
- 一株当たり利益(EPS):149.65円
- 配当性向:40.09%
- 配当落ち日:3月30日 9月29日
優待
スクロールの株主優待は自社グループカタログおよびインターネットショッピングサイトで利用可な優待券です。長期保有でボーナス追加ありと優待投資家には嬉しい銘柄ですね!
株主優待券(3月)
- 100株以上 500円相当
- 1000株以上 2500円相当
- 10000株以上 5000円相当
株主優待券(9月)
こちらは1年以上継続保有の株主のみに贈呈。
2年以上3年未満の場合
- 100株以上1000株未満は1000円相当
- 1000株以上10000株未満は2000円相当
- 10000株以上は3000円相当
3年以上の場合
- 100株以上1000株未満は1500円相当
- 1000株以上10000株未満は3000円相当
- 10000株以上は6000円相当

優待券たくさん貰えると得した気分!
100株でも1年以上もっていれば1500円分もらえるね
まとめ
- 直近下落して割安?
- 当期増配52→60円
- 来期減配予想60→20円だが業績に応じて配当性向40%
- 来期配当下限は15→20円に上昇
- コロナ禍で通販やe-コマース事業は追い風
- 来期は会社予想弱気で保守的
- 上振れの可能性あり
- 優待は自社サイトで使える株主優待券
- 長期保有でランクアップ有
ゴリラは個人的にはこの価格帯ならば少し買いたいです。
ここからの下げが限定的と予想し、長期保有し優待銘柄化するならば悪くない選択肢だと思っています。
決算発表が続々と出揃い、増配発表銘柄も多く出ていますので、配当のみが目的ならば他の銘柄に資金投入がベター。優待と株価上昇を狙うならスクロールもアリ!
配当を積み上げていきたいのか、値上がり益を取っていきたいのか、株主優待がたくさん欲しいのか。
自身の投資スタンスがぶれないように、戦略を練って購入していきたいですね。
それではまた次回!
byかいゆー
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