決算下落!三菱商事は高配当維持できるのか?
株価下落の原因は?

2021年5月7日の決算発表を受けて三菱商事の株価が前日比125円安の3,031円となっています。
2020年のコロナショック時の株価から回復していた三菱商事が、なぜ今回の決算後に急激な下落が発生したのでしょうか?今回はその理由を見ていきましょう!
三菱商事は5大商社株筆頭だった?
日本の五大商社と言えば、
- 伊藤忠
- 三菱商事
- 三井物産
- 住友商事
- 丸紅
を指します。
三菱商事はこの5大商社の中でも時価総額第二位の巨大企業で、昨年伊藤忠に抜かれるまでは時価総額第一位でした。
5大商社の中でも三菱商は歴史的に資源関連事業の石炭、銅、液化天然ガスなどの資源に強く、機械、生活産業、化学品など非資源分野でも強い収益基盤を有します。
手掛ける分野によって、事業グループは下記の10グループに分かれています。
- 天然ガス
- 総合素材
- 石油・科学ソリューション
- 金属資源
- 産業インフラ
- 自動車・モビリティ
- 食品産業
- コンシューマー産業
- 電力ソリューション
- 複合都市開発
総合商社についてはこちらをどうぞ↓
業績
21年5月7日発表の2020年度決算では、純利益前年比マイナス3628億円で77%減益となっています。
その変化は19年度までの利益変動幅と見比べると一目瞭然ですね。
コロナの影響での一過性損失は約2000億円で、特に金属資源分野の減益が前年比マイナス1372億円と大きく、次いでコンシューマー産業マイナス959億円、自動車モビリティマイナス477億円と続きます。
ただこのうちコンシューマー産業の損失はローソンののれん償却836億円、自動車モビリティの損失は三菱自動車の固定資産減損や構造改革費用等526億円を含むので、ここは次期以降の業績改善が期待できるでしょう。
【業績】 | 営業収益 | 営業利益 | 税前利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) |
---|---|---|---|---|---|---|
◇18.3 | 7,567,394 | 474,389 | 812,722 | 560,173 | 353.3 | 110 |
◇19.3 | 16,103,763 | 584,728 | 851,813 | 590,737 | 372.4 | 125 |
◇20.3 | 14,779,734 | 366,299 | 648,864 | 535,353 | 348.5 | 132 |
◇21.3 | 12,884,521 | 207,399 | 253,527 | 132,241 | 116.57 | 134 |
出典:楽天証券四季報
三菱商事はバフェットが投資している銘柄
コロナ後に三菱商事を含む日本の五大商社に投資の神様ウォーレン・バフェット率いる投資会社バークシャーハサウェイが投資していることが判明し商社株は株価上昇基調でした。
三菱商事の今回の株価下落はここにきてコロナ禍での決算数字が予想以上に悪く、実態経済のダメージが顕在化した形です。バフェットは長期投資が信条ですので、今回の決算を受けて何かアクションを取るのか気になりますね!
ウォーレン・バフェットについてはこちら
株価
- 2021年5月7日終値 3031円
- PER:20.32倍
- PBR:0.85倍
- 年初来高値:3298円
- 年初来安値:2507円
配当
株価下落後の現在の三菱商事の税引き前配当利回りは4.42%です。
日本株の中では間違いなく大企業かつ高配当ですが、今回の注目ポイントは利益悪化により一株当たり利益(EPS)が一株配当を上回ってしまったことでしょう。
もともと高配当だった三菱商事は、増配しつつも前期までは配当性向35%前後でした。
前回348.5円あった一株当たり利益が今回は116.57円となり配当金額は据え置き134円なので、稼いだ利益を超えて配当金を支払う状態になってしまいました。
この状態が続くと企業は成長投資ができなくなり配当を出すごとに資金がどんどんすり減ってしまいますので、
- 利益が足りないが無理やり配当金を出す
- 成長投資できず稼ぐ力がさらに弱まる
- さらに利益が減り配当が出せなくなる
- ついに減配
- 減配により高配当株としての魅力が下がり株が売られる
- 株価がさらに下がる
という悪循環に陥る可能性があります。
- 一株配当:134円
- 税引き前配当利回り:4.42%(2021年5月7日現在)
- 一株当たり利益(EPS):116.57円
- 配当性向:114%
- 配当落ち日:3月30日 9月29日
優待
各証券会社HPでは三菱商事に株主優待は存在しないのですが、実は三菱商事株主のゴリラは知っています・・・なんと三菱商事には隠れ株主優待があるのです!!
- 東洋文庫ミュージアム無料招待券(3月)
- 静嘉堂文庫美術館無料招待券(9月)
- 卓上カレンダー(9月)
半期に交互に招待券と年一回カレンダーが送られてきますので、実は株主優待?は存在します。
これ目当てで株を購入することはないと思いますが、高配当投資家は知っている系のちょっとしたゴリラ豆知識でした。

株主優待あるんですよこれが!
使わないんだけどね・・・
まとめ
- 三菱商事は5大商社の一つ
- 資源関係の事業に強く、他分野にも事業収益分散されている
- 20年度決算の数字が悪く直近株価下落
- 純利益前年比マイナス3628億円で77%減益
- 減益3628億円中2000億円は一過性の減損処理(のれん固定資産等の減損)で来期に期待
- 一株当たり利益(EPS)は347円→116円で大幅減少
- 配当134円は据え置きだが、配当性向は114%と1株利益116円に対し134円で超過
- いまのところ配当利回りは4%超え
- 来期の回復期待できるなら買い時?
- 実は隠れ株主優待がある
ゴリラは購入価格からまだ余裕があるので買い増ししませんが、さらに価格下落してくるようなら長期保有銘柄の一つなので買い増しに動きます。
商社株はこれからのコモディティ価格上昇相場を見越してバフェットは買っている、なんて話もあるので折を見て増やしていく予定です。
慌てず騒がず狙った株価でしっかり下でキャッチして、あとは上がるまで気長に待ちましょう。
個人投資家の現物で大企業株への投資はこの気絶戦略がとりやすいのがいいですね。
なお巷ではこれを塩漬けと言います(笑)
それでは次回もよろしくお願いします!
byかいゆー
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