高配当&ランクアップ優待アリ!INPEXはリスクアリ?
INPEXって何の会社?

INPEXは2021年4月1日に国際石油開発帝石株式会社から社名変更したエネルギー企業で、かつての国際石油開発と帝国石油が統合合併してできた企業です。その名の通り石油・天然ガス開発企業で、もともと国策企業が母体なので発行済普通株式数の18.96%を経済産業大臣が保有し、筆頭株主となっています。

INPEXは国際帝石だったのか!
事業内容
INPEXの事業内容は、「石油・天然ガス、その他の鉱物資源の調査、探鉱、開発、生産、販売及び同事業に付帯関連する事業、それらを行う企業に対する投融資」です。
原油・ガス開発生産国内最大手でオーストラリア沖でLNG案件(イクシスプロジェクト)を操業中。
石油・天然ガス開発が事業なので原油価格に経営状況が大きく左右される企業です。
2018~2022年までの中期計画は原油価格:1バレル50~70ドルで想定為替:1ドル110円程度
を前提としているのでこの水準から価格が乖離すると業績が大きくブレる可能性があります。
当期純利益に与える影響(センシティビティ)は、
原油価格が1ドル上昇で+80億円、1ドル下落で-80億円
為替レート1米ドルが1円上昇(円安)で+20億円、1円下落(円高)で-20億円
1バレル50ドルが継続する場合での安定した経営維持を目標に掲げているため、裏を返すと50バレル割れが長期間続くと深刻なダメージを負うことがわかります。現在は原油価格も回復していますが、コロナ禍では50ドル割れる場面もあったので警戒が必要です。

コロナショック時の20年2月は原油価格20ドル割れる場面も・・・
再生可能エネルギー
INPEXは中期計画で再生可能エネルギーへの取り組みとして「ポートフォリオの1割を目指す」ことを掲げています。現在は1割未満の規模なので経営への影響はまだ低そうです。
- 地熱開発・・・事業経験が豊富な日本/インドネシアにおける高いポテンシャル。地質/物理探査及び掘削技術など石油開発における技術が適用可能。世界最大規模のインドネシアサルーラプロジェクト追加開発を目指す
- 風力発電事業・・・浮体式洋上風力発電については、イクシスを始めとする油ガス生産設備の浮体構造物の設計から操業に至る事業マネジメント経験が適用可能。当社の強みを特に活かすことができ、先行者メリットもある浮体式洋上風力発電の事業化を目指す。
- 人工光合成技術・・・「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参画し、触媒反応を利用したソーラー水素の製造の技術開発を担当。最終的な太陽光エネルギー変換効率10%を目標として順調に研究開発を推進、今後、実用化検討。
- 水素事業・・・天然ガスを水素とCO2に分離し、CO2を地下に圧入・貯留する又は資源として活用することで、天然ガスをカーボンフリーな水素として供給します。他の企業・団体と協力・連携した研究開発を推進するとともに、水素バリューチェーンを構築します。水素バリューチェーン協議会のメンバーとして業界横断的に連携し、社会実装プロジェクトの実現を通じ、早期に水素社会の構築を目指します。
パフォーマンス
【業績】 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益 | 1株益(円) | 1株配(円) |
---|---|---|---|---|---|---|
連17.3 | 874,423 | 336,452 | 333,891 | 46,168 | 31.6 | 18 |
連18.3 | 933,701 | 357,363 | 387,269 | 40,362 | 27.6 | 18 |
連19.3 | 971,388 | 474,281 | 519,278 | 96,106 | 65.8 | 24記 |
連19.12変 | 1,000,005 | 498,641 | 511,088 | 123,550 | 84.6 | 30 |
連20.12 | 771,046 | 248,471 | 257,335 | -111,699 | -76.5 | 24 |
連21.12予 | 940,000 | 390,000 | 414,000 | 133,000 | 91.1 | 27 |
連22.12予 | 960,000 | 400,000 | 428,000 | 150,000 | 102.7 | 27~30 |
出典:楽天証券四季報
株価
- 2021年4月23日終値 729円
- PER:8.00倍
- PBR:0.38倍
- 年初来高値:865円
- 年初来安値:539円
配当
株主還元方針として配当性向30%以上を掲げています。
現状でも配当利回り3.7%と高配当でありかつ配当性向は30%以下なので、世界経済回復でエネルギー需要が再拡大すると配当性向30%に合わせるための増配の可能性もあるかと思います。
現状ではコロナ禍での赤字決算、原油為替リスク、地政学的リスク、ESG投資の逆風などやはり不人気銘柄ゆえの割安放置感がありますね。
一株配当:27円
税引き前配当利回り:3.7%(2021年4月8日現在)
配当性向:29.63%(予想)
配当落ち日:6月29日 12月29日
優待
INPEXは株主優待も魅力的で、毎年12月31日に普通株式400株以上を1年以上継続して保有する株主を対象に、保有株式数と継続保有年数に応じて、オリジナルデザインのQUOカードを発送。
- 400株以上、1年以上保有でクオカード1000円分、2年以上保有で2000円、3年以上保有で3000円
- 800株以上、1年以上保有でクオカードで2000円分、2年以上保有で3000円、3年以上保有で5000円
毎年グレードアップするので、優待狙いの銘柄として継続保有&買い増ししたくなります。

購入後の権利日ですぐもらえないから注意!
1年じっくり待ちましょう。
まとめ
- INPEXは元国際帝石
- 石油・天然ガス開発を一手に担う
- 原油価格と為替レートで利益が大きく変動するリスク
- 特に1バレル50ドルを長期で下回ると危機
- コロナ禍では最終赤字決算
- 配当性向30%
- 現在配当利回り3.7%で高配当
- 優待は1年以上保有でクオカード
- クオカードはさらに継続保有で毎年ランクアップ
- 経済産業省大臣が大株主の為、放出リスクもあり?
見かけ上の高配当と優待クオカードによって購入したくなる銘柄ですが、調べてみるとリスクが多いことがわかりましたね。
長期投資のセオリーは成長企業に順張りが勝ちやすいので、下落不人気銘柄に配当優待狙いでの投資は優待+配当を上回る下落を食らうことが多々あります。(経験ゴリラは語る)
ゴリラの様に目先のキャッシュフロー拡大を目指し年間配当金増加を狙いつつ優待を貰い、含み損苦しくても握り続ける覚悟が必要ですのでくれぐれも購入はご注意を!
それではまた!
byかいゆー
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