楽天&郵政が資本提携で流通から金融まで支配する!?

ポスト 投資

楽天&郵政が資本提携で流通から金融まで支配す

る!?

スポンサーリンク

楽天と日本郵政がタッグを組む!

2021年3月12日午後、日本郵政楽天は記者会見を開き、資本・業務提携を結んだと発表されました。国内ネット通販大手の楽天と郵便物流の日本郵政の提携は業界再編の流れを産むかもしれません。

今回はそもそも提携するとどのようなメリットが生まれるか、個人投資家にとって投資チャンスであるのかについてみていきましょう!

資本業務提携とは?

資本業務提携とは・・・資本提携と業務提携をあわせて実施すること。

資本提携とは・・・お互いの企業が株式を持ち合う形で出資する手法であり、一般的には経営権にほとんど影響を及ぼさない10%程度の株式を相互に保有。

業務提携とは・・・お互いに経営資本を出し合って業務を遂行する手法であり、さまざまな分野で提携が実施され、アライアンスやコラボレーションとも呼ばれています。お互いに出資して株式を持ち合いつつ、業務面でも密な連携を図る手法。

簡単にいうと、お金の面でも仕事の面でも協力しようということですね。

記者会見内容まとめ

  • 日本郵政が楽天に約1500億円出資し両社が資本・業務提携
  • 物流やモバイル、DX=デジタルトランスフォーメーション、金融など幅広い分野で連携を強化する
  • 日本郵政が楽天の第三者割当増資を引き受ける形でおよそ1500億円を出資し、楽天の株式8.32%を保有し大株主になる
  • 物流では両社がもつデータを共有するとともに、拠点や配送システムを共同で構築
  • モバイルでは、郵便局で楽天の携帯電話を申し込める
  • 楽天から日本郵政グループにデジタル技術に詳しい社員を派遣して業務のデジタル変革を支援
  • キャッシュレス決済や保険といった金融の分野やネット通販の分野でも協業を検討

各社コメント

楽天

「去年12月に発表した物流の提携にとどまらず、金融、モバイルでもさまざま提携を進めたい。コロナ渦で今まで以上にDXが加速し、ネットがなくてはやっていけない時代になっていて、地方経済をいかに元気づけるかが大切になっていく。一方でグローバル化も進み、世界的にITの力が巨大になっていて、リアルとバーチャルの大きな力が合わさって新しい形を作ることにわくわくしている」

日本郵政

「全国に展開する郵便局、そして強固な物流というリアルネットワークを強みとしている日本郵政グループにとって、先進的なデジタル技術と豊富なノウハウを生かし、さまざまな事業領域でインターネット関連サービスを提供している楽天グループは最高のパートナーだ。協業を通じてデジタルとリアルで双方の特徴、強みをうまく掛け合わせることで、提携のシナジー効果を最大限引き出し、お客様に喜んでいただける新たな価値を創出をしていきたい」

各分野シナジー具体例

  • 物流:共同の物流拠点、配送システム、受け取りサービスの構築。両社のデータの共有化。物流DXプラットフォームの共同事業化。ゆうパックの利用拡大など
  • モバイル:郵便局内スペースを使った楽天モバイルの申込みカウンター設置、マーケティング施策の実施。郵便局屋上を利用した基地局の設置(すでに400局が設置済み)
  • DX:楽天から日本郵政へのDX人材の派遣。日本郵政のDX推進への協力
  • 金融:キャッシュレス・ペイメント分野、保険分野などでの協業
  • Eコマース:物販分野(おもに地方創生関連)での協業

背景にある楽天携帯事業の苦しい資金繰り

楽天は2019年に参入した携帯事業の先行投資費用が膨らみ、20年4期のモバイル分野の営業利益は-1500億円。

有利子負債自己資本比率(有利子負債自己資本比率が1倍以上の場合は財務の安定性が低い)は4倍を超えており、負債額が資本を大きく上回っている状態です。

楽天はこの携帯電話事業の設備投資などに充てるため、日本郵政以外に中国のIT大手テンセントグループと、アメリカの流通大手ウォルマートなどからも、合わせて920億円余りの出資を受けており、資金調達の額は累計2423億4669万2500円で、その資金全てを楽天モバイルへの投融資資金に充当する予定です。

楽天と日本郵政に投資するべきか?

2021年2週春号会社四季報より

楽天

【業績】売上高営業利益税前利益利益1株益(円)1株配(円)
◇15.12713,55594,68991,98744,43632.34.5
◇16.12781,91677,97773,92337,99526.74.5
◇17.12944,474149,344138,082110,58580.04.5
◇18.121,101,480170,425165,423142,282105.44.5
◇19.121,263,93272,745-44,558-31,888-23.64.5
◇20.121,455,538-93,849-151,016-114,199-84.04.5
◇21.12予1,500,000-130,000-135,000-100,000-73.44.5

携帯事業の設備投資として基地局増加を進める楽天は、4G屋外基地局数を現在の27000局から44000局へ増加させる見込みです。今現在の設備投資額が6000億円で、ここからさらに30~40%の費用増加が想定されていますので、40%だと2400億追加することになります。

これは今回の資金調達額とちょうど重なるため、資金繰り自体は問題なかったようです。

ただ携帯事業参入後の包括利益は設備投資の追加が続きマイナスで推移している状態なので、ここからさらに携帯料金値下げ合戦に勝利するまで戦い続けなければいけません。

楽天への投資は、設備投資額増加が終了し、楽天モバイルからの収益増加で利益が回復する兆しが見えるまでは様子見がよいかと個人的には思います。

株価は郵政との提携発表により、12日金曜終値1245円から15日月曜終値1545円と大きく上昇しているので、ここから上昇トレンドに変化するか注目です。指標面ではPBR3.17 倍、配当利回り0.3%と特にお得感はないですね。

日本郵政

2021年2週春号会社四季報より

【業績】経常収益経常利益利益1株益(円)1株配(円)
連18.312,920,375916,144460,623113.057特
連19.312,774,999830,696479,419118.650
連20.311,950,185864,457483,733119.650
連21.3予11,360,000620,000340,00084.150
連22.3予11,100,000600,000330,00081.650

ゴリラはむしろお役所体質で非効率的である日本郵政に、楽天からデジタル化のノウハウが入って経営効率が上がることに期待して投資したくなります。

日本郵政は12日金曜終値1025円から15日月曜終値1050円で推移、PBR0.32倍、配当利回り4%以上といまだバリュー株であり、グループ内でのかんぽ保険販売不正問題などで割安放置されていましたが、保有する総資産価値を考慮するとここからまだまだ買える水準に思えます。ただ不正を起こす企業体質というのはなかなか変わらないものなので、そのあたりのがばがばガバナンスリスクを考慮する必要はあるでしょう。

まとめ

  • 物流やモバイル、デジタルトランスフォーメーション、金融など幅広い分野で連携を強化
  • 楽天は携帯事業で投資費用増大中で利益マイナス
  • 郵政は割安だが企業体質にやや難あり
  • どちらも今後の成長次第では値上がりの可能性あり

今回は楽天と日本郵政の資本業務提携についてのまとめでした。日ごろから話題のニュースを投資情報につなげられる想像力を訓練しておくと、目の前にきた投資チャンスを掴めるはずです。

今後も簡単にわかる投資ニュースを掲載していきますので応援よろしくお願いします!

byかいゆー

前回の記事はこちら

楽天&郵政が資本提携で流通から金融まで支配する!?

ポスト 投資

楽天&郵政が資本提携で流通から金融まで支配す

る!?

スポンサーリンク

楽天と日本郵政がタッグを組む!

2021年3月12日午後、日本郵政楽天は記者会見を開き、資本・業務提携を結んだと発表されました。国内ネット通販大手の楽天と郵便物流の日本郵政の提携は業界再編の流れを産むかもしれません。

今回はそもそも提携するとどのようなメリットが生まれるか、個人投資家にとって投資チャンスであるのかについてみていきましょう!

資本業務提携とは?

資本業務提携とは・・・資本提携と業務提携をあわせて実施すること。

資本提携とは・・・お互いの企業が株式を持ち合う形で出資する手法であり、一般的には経営権にほとんど影響を及ぼさない10%程度の株式を相互に保有。

業務提携とは・・・お互いに経営資本を出し合って業務を遂行する手法であり、さまざまな分野で提携が実施され、アライアンスやコラボレーションとも呼ばれています。お互いに出資して株式を持ち合いつつ、業務面でも密な連携を図る手法。

簡単にいうと、お金の面でも仕事の面でも協力しようということですね。

記者会見内容まとめ

  • 日本郵政が楽天に約1500億円出資し両社が資本・業務提携
  • 物流やモバイル、DX=デジタルトランスフォーメーション、金融など幅広い分野で連携を強化する
  • 日本郵政が楽天の第三者割当増資を引き受ける形でおよそ1500億円を出資し、楽天の株式8.32%を保有し大株主になる
  • 物流では両社がもつデータを共有するとともに、拠点や配送システムを共同で構築
  • モバイルでは、郵便局で楽天の携帯電話を申し込める
  • 楽天から日本郵政グループにデジタル技術に詳しい社員を派遣して業務のデジタル変革を支援
  • キャッシュレス決済や保険といった金融の分野やネット通販の分野でも協業を検討

各社コメント

楽天

「去年12月に発表した物流の提携にとどまらず、金融、モバイルでもさまざま提携を進めたい。コロナ渦で今まで以上にDXが加速し、ネットがなくてはやっていけない時代になっていて、地方経済をいかに元気づけるかが大切になっていく。一方でグローバル化も進み、世界的にITの力が巨大になっていて、リアルとバーチャルの大きな力が合わさって新しい形を作ることにわくわくしている」

日本郵政

「全国に展開する郵便局、そして強固な物流というリアルネットワークを強みとしている日本郵政グループにとって、先進的なデジタル技術と豊富なノウハウを生かし、さまざまな事業領域でインターネット関連サービスを提供している楽天グループは最高のパートナーだ。協業を通じてデジタルとリアルで双方の特徴、強みをうまく掛け合わせることで、提携のシナジー効果を最大限引き出し、お客様に喜んでいただける新たな価値を創出をしていきたい」

各分野シナジー具体例

  • 物流:共同の物流拠点、配送システム、受け取りサービスの構築。両社のデータの共有化。物流DXプラットフォームの共同事業化。ゆうパックの利用拡大など
  • モバイル:郵便局内スペースを使った楽天モバイルの申込みカウンター設置、マーケティング施策の実施。郵便局屋上を利用した基地局の設置(すでに400局が設置済み)
  • DX:楽天から日本郵政へのDX人材の派遣。日本郵政のDX推進への協力
  • 金融:キャッシュレス・ペイメント分野、保険分野などでの協業
  • Eコマース:物販分野(おもに地方創生関連)での協業

背景にある楽天携帯事業の苦しい資金繰り

楽天は2019年に参入した携帯事業の先行投資費用が膨らみ、20年4期のモバイル分野の営業利益は-1500億円。

有利子負債自己資本比率(有利子負債自己資本比率が1倍以上の場合は財務の安定性が低い)は4倍を超えており、負債額が資本を大きく上回っている状態です。

楽天はこの携帯電話事業の設備投資などに充てるため、日本郵政以外に中国のIT大手テンセントグループと、アメリカの流通大手ウォルマートなどからも、合わせて920億円余りの出資を受けており、資金調達の額は累計2423億4669万2500円で、その資金全てを楽天モバイルへの投融資資金に充当する予定です。

楽天と日本郵政に投資するべきか?

2021年2週春号会社四季報より

楽天

【業績】売上高営業利益税前利益利益1株益(円)1株配(円)
◇15.12713,55594,68991,98744,43632.34.5
◇16.12781,91677,97773,92337,99526.74.5
◇17.12944,474149,344138,082110,58580.04.5
◇18.121,101,480170,425165,423142,282105.44.5
◇19.121,263,93272,745-44,558-31,888-23.64.5
◇20.121,455,538-93,849-151,016-114,199-84.04.5
◇21.12予1,500,000-130,000-135,000-100,000-73.44.5

携帯事業の設備投資として基地局増加を進める楽天は、4G屋外基地局数を現在の27000局から44000局へ増加させる見込みです。今現在の設備投資額が6000億円で、ここからさらに30~40%の費用増加が想定されていますので、40%だと2400億追加することになります。

これは今回の資金調達額とちょうど重なるため、資金繰り自体は問題なかったようです。

ただ携帯事業参入後の包括利益は設備投資の追加が続きマイナスで推移している状態なので、ここからさらに携帯料金値下げ合戦に勝利するまで戦い続けなければいけません。

楽天への投資は、設備投資額増加が終了し、楽天モバイルからの収益増加で利益が回復する兆しが見えるまでは様子見がよいかと個人的には思います。

株価は郵政との提携発表により、12日金曜終値1245円から15日月曜終値1545円と大きく上昇しているので、ここから上昇トレンドに変化するか注目です。指標面ではPBR3.17 倍、配当利回り0.3%と特にお得感はないですね。

日本郵政

2021年2週春号会社四季報より

【業績】経常収益経常利益利益1株益(円)1株配(円)
連18.312,920,375916,144460,623113.057特
連19.312,774,999830,696479,419118.650
連20.311,950,185864,457483,733119.650
連21.3予11,360,000620,000340,00084.150
連22.3予11,100,000600,000330,00081.650

ゴリラはむしろお役所体質で非効率的である日本郵政に、楽天からデジタル化のノウハウが入って経営効率が上がることに期待して投資したくなります。

日本郵政は12日金曜終値1025円から15日月曜終値1050円で推移、PBR0.32倍、配当利回り4%以上といまだバリュー株であり、グループ内でのかんぽ保険販売不正問題などで割安放置されていましたが、保有する総資産価値を考慮するとここからまだまだ買える水準に思えます。ただ不正を起こす企業体質というのはなかなか変わらないものなので、そのあたりのがばがばガバナンスリスクを考慮する必要はあるでしょう。

まとめ

  • 物流やモバイル、デジタルトランスフォーメーション、金融など幅広い分野で連携を強化
  • 楽天は携帯事業で投資費用増大中で利益マイナス
  • 郵政は割安だが企業体質にやや難あり
  • どちらも今後の成長次第では値上がりの可能性あり

今回は楽天と日本郵政の資本業務提携についてのまとめでした。日ごろから話題のニュースを投資情報につなげられる想像力を訓練しておくと、目の前にきた投資チャンスを掴めるはずです。

今後も簡単にわかる投資ニュースを掲載していきますので応援よろしくお願いします!

byかいゆー

前回の記事はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました