
NISAの仕組み
証券口座を解説したらぜひ活用したいのがNISA制度。
これを使うと誰でもお得に投資ができちゃいます。
通常株式投資で得た利益には株式譲渡税20.315%がかかります。
しかしNISA口座という口座を作りその口座で株や投資信託を買うと、非課税となり利益がすべて自分のものになります。
徴収されるはずだった税金分お得なので、通常口座の利益と比べると20.315%増しでお金が増えるわけなので、まさにお金が増える魔法の貯金箱のような口座ですね。
NISA制度とは?
イギリスのISA:アイサ(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)という制度を参考に、2014年1月にスタートした個人投資家の税制優遇制度です。
NISA:ニーサ(Nippon Individual Savings Account)という名前からもわかりますね。
NISA口座の種類
NISA制度で使えるNISA口座は三種類あります。すべて利益が一定額まで非課税というのは同じですが、購入できる商品の違いや金額の上限の違い、使用できる期間などの違いがあります。
共通の特徴
- 日本国内在住の20歳以上の成人1人1口座のみ開設可能。(ジュニアのみ0~19歳)
- 期間内の投資利益が非課税
- NISA口座とそれ以外の口座で損益通算不可
- 購入金額で購入枠が消費するため、同じ商品を何度も売買すると1購入ごとに消費する
- 制度自体の有効期間がある(終了後は買った商品は通常口座に移される)
NISA口座
- 一般NISAや普通NISAと呼ばれる
- 年間限度額120万円まで購入できる口座(各NISA口座の中で最大額)
- 買える商品の選択肢が広く、国内外の個別株や投資信託ETFを買える
- 非課税期間5年間
- 投資可能期間:2014年~2023年
- 向いている人:企業分析をして大きく利益を出したい、配当や優待目的の投資がしたい、毎年100万円以上投資したい
メリット
- 年間で120万円まで購入可能、投資資金が多い場合は有利
- 様々な金融商品を買えるので他のNISA口座に比べて自由度が高い
- 配当金の出る株を買い、非課税でもらい続ける戦略など取れる
- 個別株が買えるため、購入した株が大きく値上がりした場合利益が大きくなる
- 商品を組み合わせられるため、値上がり期待個別株+投資信託積み立て+配当株など組み合わせも可能
デメリット
- 商品選択の幅が広すぎて制度に適さない商品も買えるため、各商品特徴を理解していないとうまく活用できない。
- 非課税期間が購入から5年と短い
- 年間投資資金40万円未満なら、非課税期間の長い積み立てNISAの方が有利なことが多い
- 個別株は投資信託より価格変動リスクが高いため、大きく値下がりする場合がある
- 損失が出た場合NISA以外の口座と損益通算できない
積み立てNISA口座
- 一般NISAと比べて長期の資産形成に向いており、投資初心者におすすめしやすい口座
- 年間限度額40万円まで購入できる口座(NISA口座の中で最少額)
- 金融庁のチェックを通過した投資信託のみ対象商品のため買いやすい
- 非課税期間20年
- 投資可能期間:2018年~2037年
- 向いている人:資産運用したいが頻繁な確認や設定はめんどう、低リスクで運用したい、長期投資したい方
メリット
- 年間40万円まで購入可能で投資資金や投資経験が少ない場合おすすめ
- 購入可能対象商品は金融庁のチェックを通過した投資信託のみのため安心感がある
- 購入から20年間非課税なので長期投資に適している
デメリット
- 個別株売買したい場合は一般NISA一択
- 年間購入可能金額が少なく、投資資金が多い場合は投資資金が余りやすい
- 限られた投資信託のみしか買えないため個別株やETFは買えない
- 個別株に比べ値動きが穏やかなため、短期間で大きく利益は出づらい
ジュニアNISA口座(2023年末廃止決定済み)
- 利用者が少ないため2023年末廃止決定済み
- 0~19歳までの子供名義で親が作れるNISA口座
- 子供の成人後はそのままその子供本人の一般NISA口座となる
- 年間購入可能金額80万円まで
- 購入対象商品は一般NISAと同じ
- 非課税期間5年
一般NISA口座の非課税期限が過ぎるとどうなる?
積み立てNISAに比べ非課税期間の短い一般NISAは期間が終了するとどうなるのでしょう?
一般NISA制度の有効期限は2023年以内であれば、5年経過した株は
- 通常の口座に払い出す
- そのまま売却して資金にもどす
- 来年のNISA口座買い付け額を消費して来年分のNISA口座に移す
いずれか選べます。
通常口座に戻す場合は購入価格でそのまま移すのではなく、現在価格で通常口座に入ります。
来年のNISA口座額を消費して、期限切れのNISA口座商品を来年分のNISA口座に移すことを「ロールオーバー」といいます。
通常口座にもどす時に利益が出ている場合〇
移した時の価格が新たな取得価格=購入価格となりますので、移す前に出た利益は移した後に売っても課税されません。
- NISA口座で1000円で購入→5年後1500円になり通常の課税口座に移す
- この場合通常口座で1500円で購入したという扱いになる
- 売却額1500円-購入金額1000=利益500円になり、本来なら500円の20.315%の税金が取られます。
- 取得価格=購入金額=移した時の金額となるため購入金額1500円となる
- 売却額1500円-購入金額1500=利益0円となる(利益が発生していない扱いになる)
- 1000円で買った商品が売れ1500円の現金が戻ってきているので、資金は増えているが課税されない
通常口座に戻す時に損失が出ている場合×
移した時の価格が新たな取得価格=購入価格となる際、注意点として損失が出ている場合があります。
- NISA口座で1000円で購入→5年後500円になり通常の課税口座に移す
- この場合通常口座で500円で購入したという扱いになる
- その後株価が1000円まで戻ったので売却
- 売却額1000円-購入金額500=利益500円となり、買った値段に戻っただけなのに利益が出た扱いになるので500円の20.315%の税金が取られてしまいます。
NISAからNISAへロールオーバーする場合
ロールオーバーした場合も移した時の価格が新たな取得価格=購入価格となります。
すでに持っている商品の口座更新のために新たに使う予定だったNISA口座の年間投資額を消費するため注意が必要です。
5年たったら・・・
横這いや今後下落も考えられるが持っていたい商品は通常口座へ、利益確定か損失確定で資金を引き揚げたい場合は売却、5年後も株価上昇期待できるものはロールオーバーという使い方がよいでしょう。
ちなみに積み立てNISAにはロールオーバーはありません。
まとめ
二つのNISA口座を比べてみると、自分がどんな投資をしたいのかで選ぶNISA口座が変わってくると思います。
投資資金が多く個別株で大きく利益を出したり配当や株主優待を貰いたい方は一般NISA口座がおすすめです。
株価を気にせず20年以上かけてゆっくり少しずつ資産形成をしていきたい方は積み立てNISAがおすすめです。
なお2024年からは一般NISA口座は新NISA口座となり、条件が変更になりますので改めて解説していきます。
個人投資家としてNISA口座をうまく使いこなすことができれば、入れた投資資金を効率的に増やす魔法の貯金箱になりますので是非開設しておきましょう!
byかいゆー
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