
投資信託を始めてみよう
前回投資にはいろいろな種類があるという解説をしましたが今回はその中でも投資初心者によくおすすめされる、誰がやっても損をしづらい投資方法
「投資信託」
について解説していきましょう。
投資信託とは?
投資信託とは金融商品の一種で、銀行や証券会社窓口やネット証券で購入できます。
仕組みは簡単に言うと
「株式や債券など資産の詰め合わせを細かく切り分けて売っている商品」
というイメージです。
株式の詰め合わせなら投資資金に対して年平均数%の利益が期待できます。
ただし投資の世界に
「絶対儲かる」
は存在しないためもちろん損失が出る場合もあります。
しかし前回株式投資でも解説した
「日本の銀行に普通預金で貯金した場合に付く預金金利は現在年平均+0.001%」
の通り、預金しておくだけより遥かにお金が増える可能性が高いので始める価値はありますよ!
投資信託の仕組み
投資信託は販売会社・委託会社・受託会社という3つの機関が役割分担しながら運営しています。
- まず「販売会社」が投資家からお金を集める
- 次に「委託会社」がそのお金でどんな株をいつどのくらい買うか、などの投資戦略を考える
- 最後に「受託会社」が委託会社からの指示に基づき株式市場で売買取引する
- 取引運用で出た利益が投資信託の価格に追加されていき、投資信託の価格上昇が投資家の利益になる
投資信託の単位
株式は1株と数えますが、投資信託は1口と数えます。
また価格表示が株式は
「一株価格いくら」
で表示されるのに対し、
投資信託は設定時の口単位数いくらで表示されるため基本的に
「10000口いくら」
で表示されるので初めは単位価格がわかりづらいです。
また注文時は株は何株単位で買うかで注文するのに対して、
投資信託は買いたい金額だけ入力してその金額分の口数を買う
という買い方になります。
ではなぜ投資信託が投資初心者におすすめなのでしょうか?
投資信託のメリット
プロに投資をおまかせできる!
株式などに投資する場合は自分で投資したい会社の株を探します。
- どこの国に投資するのか
- どんな資産を買うのか
- その価格で買ってもいいのか
- どのくらい買うのか
- どのくらい儲かったら売るのか
- どのくらい損をしたら撤退するのか
などの様々な判断を自分でしなければいけません。
そんなとき投資信託ならば投資信託商品を選ぶだけでプロがあなたの代わりに資産運用してくれます。
複数の国や資産に投資できる
- 日本株のテーマ別ジャンル別の詰め合わせ
- 全世界株式詰め合わせ
- 米国株詰め合わせ
- 米国債券詰め合わせ
- 先進国株詰め合わせ
- 新興国株詰め合わせ
など多彩な組み合わせがあります。
分散効果がある
投資の儲かる損するというのは、金融商品を買った価格から値段が上下することにより発生します。
例えば1万円でA社の株を買ったとします。
現在の株式市場のように市場が好調で株高になると、多くの会社の株が値上がりします。
そんな中、あなたの持っているA社の株価は購入時からまったく上がっていないとします。
この場合、市場全体が好調なら他の会社の株を買っておけば利益が出た可能性が高いですよね?
投資信託なら1口で複数の会社の詰め合わせとして買っているので
投資信託Xが株式ABCDE社の株詰め合わせで均等に分散されているなら1万円分買うと、
10000円÷5社=2000円
1会社2000円分ずつ購入したことになり、A社は2000円分だけ買ったことになります。
こうするとたとえA社が上がらなくても
B社2100円
C社2200円
D社2300円
E社2400円
となった場合
2000+2100+2200+2300+2400=11000
となり1000円の利益となります。
このようにA社が上がらなくても他のBCDE社の株価が上がれば利益が出ますので分散している分、市場全体の上昇利益を受けやすいといえます。
なので初心者が買っても利益が出やすい商品といえます。
少額から投資できる
個別株を買おうとすると最低でも数万円から購入資金が必要です。
しかし投資信託なら株詰め合わせパックを数百円から買えるので小学生のお小遣いでも買えてしまいます(小学生が投資するかはおいておいて)
また証券会社によっては自動積立設定ができるので
最初の設定だけして後は毎月コツコツと自動的に積み立て投資していくことも可能です。
特に自動積み立てのような投資初心者からベテランまで決まった間隔で積立を続けていく
「ドルコスト平均法」
は有効な投資戦略なのでまた個別記事で解説していきます。
投資信託のデメリット
利益も分散してしまう
反対にA社が売り上げ好調で株価が大きく上昇し2倍になった場合、他の会社の株式には影響はないので
ABCDE社詰め合わせで1万円の投資信託で買っていた場合
A社2000円×2倍=4000円になるので利益2000円
株式投資でA社のみ10000円で買っていた場合
A社10000円×2倍=20000円になるので利益10000円
この場合A社のみに投資していた方が利益が大きくなります。
しかし個別株の値動きはプロでも判断が難しく初心者が的中させることは難しいでしょう。
狙った株が上がった場合は利益が大きくなりますが、反対に株価が下がって損失が出る場合は逆になるので、株式は下落幅大、投資信託は下落幅小となります。
なので株式投資は投資の中でもミドルリスクミドルリターン
投資信託はローリスクローリターンであるともいえます。
税金がかかる
株式投資記事でも解説しましたが、株式投資で出た利益には税金がかかります。
投資信託も株式をまとめている投資商品なので
同じく一律20.315%の税金が儲かった利益に対してかかります。
1万円で買った株が1.2万円で売れた場合
12000-10000=2000円の利益
この2千円の利益に対して税金がかかるので
2000×0.20315=406.3円の税金が引かれ、
2000-406.3=1593.7円の手取りとなります。
しかしなんとNISA口座という口座で購入すると税金がかからないという制度もあるので心配無用!
NISA口座については別記事で個別で解説していきます。
手数料・維持管理費用がかかる
税金は利益に対してのみかかりますが、それとは別に投資信託には売り買いの取引成立時に証券会社に払う手数料があります。
- 購入時の販売買付手数料
- 売却時の信託財産留保額
- 運用管理費用
対面の証券会社だと数千円から数万円もかかり利益が吹き飛びますが
ノーロード投信という手数料無料の投資信託や現在主流のネット証券だと、一定金額以下の取引手数料無料や数百円程度で取引できるため遥かにお得かつ低コストで取引できます!
まとめ
投資信託のメリット
- プロにお金を預けて資産運用してもらえる
- 分散効果で利益を得やすく、損失もカバーしやすい
- 様々な種類の資産にまとめて投資できる
- 数百円の少額から投資できる
投資信託のデメリット
- 利益も分散するため個別株投資のように大きくは増えない(代わりに損失も拡大しづらい)
- 各種手数料がかかる(ノーロードやネット証券で抑えられる)
最後に
投資信託は最初の商品選びさえ間違えなければ、分散効果と長期投資で資産を増やしやすい有効な投資商品ですので是非覚えてもらえればと思います。
毎月決まった金額から自動買い付けもできるため、少額から様々な種類の資産に積み立て投資を続けていけることが最大の強みです。
税負担は重く将来の年金は減るこれからの人生100年時代の一助になるはずです。
今後投資信託の選び方やNISA制度の説明も追加していきますのでお楽しみに!
byかいゆー
次回は証券口座について
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